競艇で締切前にオッズが半分以下になった3連単は、来やすくならない。同じ倍率の目より戻りは11.2%少なかった
競艇で締切前に倍率が半分以下になった3連単が来たのは2.40%。ほとんど動かなかった目は2.62%で、ほぼ変わらない。100円ずつ買うと戻りは65.8円で、動かなかった目の74.1円より11.2%少ない。2026年7月23日から9月25日までの9,587レースを数えた。
画面を見ていると、ある買い目の倍率が急に下がっていくことがある。何か知っている人がまとめて買ったのではないか、と思う。その目は本当に来ているのか。
先に断っておくと、**これは舟券をどう買うかの話ではない。**どの目を買うべきかを勧めるものでもない。見ているのは、締切前に倍率が下がった目が実際にどれだけ来たか、それだけだ。
なぜ「同じ倍率どうし」で比べるのか
倍率が下がった目は、それだけ買われた目だ。買われた目が来やすいのは当たり前で、そのまま全体と比べても何も分からない。
だから締切1分前の倍率をそろえて比べる。たとえば1分前に20倍だった目どうしを並べ、30分前から半分以下になってきた目と、ほとんど動かずに20倍だった目で、来た割合を見る。こうすると「下がったこと」だけの効き目が取り出せる。
そろえて比べた結果がこれだ。半分以下になった目が来たのは2.40%で、動かなかった目の2.62%とほとんど同じだった。
半分以下になった目は、来やすくなっていなかった
| 30分前からの動き | 来た割合 | 100円あたりの戻り |
|---|---|---|
| 半分以下になった | 2.40% | 65.8円 |
| ほとんど動かず(倍率をそろえた) | 2.62% | 74.1円 |
締切30分前から1分前までに倍率が半分以下になった3連単なら、2.40%(41.6回に1回)の確率で来る。同じくらいの倍率でほとんど動かなかった目も2.62%で、差はほとんどない。急に下がったことは、来る目印になっていなかった。
倍率の範囲を3つに分けても、来た割合はほぼ並んだ
締切1分前の倍率で3つに分け、それぞれの中で同じことを見た。10倍未満をのぞけば、来た割合はほぼ並ぶ。いっぽう戻った金額は、どの範囲でも半分以下になった目のほうが少なかった。
| 締切1分前の倍率 | 半分以下になった目 | 動かなかった目(そろえた) | 戻りの差 |
|---|---|---|---|
| 10倍未満 | 9.27% | 11.63% | 17.6円少ない |
| 10〜30倍 | 4.47% | 4.67% | 10.6円少ない |
| 30倍以上 | 1.00% | 1.06% | 6.7円少ない |
その10倍未満だけは、少し違う顔を見せた。半分以下になった目が来たのは9.27%で、倍率をそろえた動かなかった目の11.63%より低い。下がったほうが来ていない、という向きだ。
ただし、この範囲で数えられた目はそれほど多くない。**数が少ないので、これだけで言い切ることはできない。**他の2つの範囲では、同じ向きの差は出ていない。
それでも、下がった目のほうが来やすいという向きの差は、どの範囲を見ても出てこなかった。急落を目印に使えるなら、どこかの範囲で来た割合が上がっているはずだが、そうならない。
戻りは11.2%少なかった
100円ずつ買ったときに戻った金額は、半分以下になった目が65.8円、動かなかった目が74.1円だった。11.2%少ない。
理由は引き算で説明がつく。**来る割合は同じくらいなのに、倍率だけが下がっている。**当たったときに受け取る金額が小さくなるので、戻る金額も小さくなる。
数字で追うとこうなる。100円ずつ買って戻るのが65.8円なら、1万円ぶん買えば6,581円戻る計算だ。動かなかった目なら7,413円になる。同じ本数を買っても、下がった目のほうが手元に残らない。
これは計算の話であって、誰が何の理由で買ったかの推測ではない。WAKE ODDS は画面に出た数字を記録しているだけで、その金を入れた人の意図は記録に残らない。
逆に、2倍以上に広がった目は
向きを逆にしても同じだった。締切30分前から1分前までに倍率が2倍以上に広がった目が来たのは0.10%で、倍率をそろえた動かなかった目の0.12%とほぼ並ぶ。100円ずつ買ったときの戻りは48.6円で、動かなかった目の62.4円より少なかった。
下がった目も広がった目も、来る割合は同じくらいの倍率の目と変わらない。動いたという事実そのものには、結果を言い当てる力がなかった。
| 30分前からの動き | 来た割合 | 100円あたりの戻り |
|---|---|---|
| 2倍以上に広がった | 0.10% | 48.6円 |
| ほとんど動かず(倍率をそろえた) | 0.12% | 62.4円 |
半分以下になる目は、1レースに3.1通りある
珍しい現象ではない。1レースあたり平均3.1通りが半分以下になっていて、1つも出ないレースは27.9%だった。残りのレースでは必ず1つ以上出ている。
下の表は2026年8月18日の多摩川8Rだ。このレースでは半分以下になった目が40通りあり、来られたのはそのうち1つ(払戻 1,020円)だけだった。
| 買い目 | 締切30分前 | 締切1分前 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 2-5-3 | 150.0倍 | 11.2倍 | 来なかった |
| 5-3-2 | 118.1倍 | 9.5倍 | 来なかった |
| 5-6-4 | 411.2倍 | 34.1倍 | 来なかった |
| 5-2-3 | 86.7倍 | 7.3倍 | 来なかった |
| 5-3-6 | 142.3倍 | 13.8倍 | 来なかった |
| 5-2-6 | 103.7倍 | 10.3倍 | 来た(払戻 1,020円) |
同じレースで何本もの目が一斉に下がる。まとまった金が入れば下がる目は複数になり、来られるのは1つだけだ。画面の前では1つの目が下がっていくように見えても、同じ時間に隣の目も下がっていることが多い。
表の6本はどれも5号艇を含む目だった。1つの艇にまとまった金が入ると、その艇がからむ目が一斉に下がる。このレースで半分以下になった40通りのうち、5号艇を含む目は33通りあった。
来なかった側の例はこの2026年9月14日のレースで見られる。
競艇のオッズはなぜ急に下がるのか
**誰かがその買い目にまとまった金額を入れれば、倍率は下がる。**3連単は120通りあり、集まった金を的中した1通りで分けるので、同じ目に金が集まるほど1枚あたりの取り分は小さくなる。
画面から分かるのはそこまでだ。誰が入れたのか、何を見て入れたのかは記録に残らない。WAKE ODDS は理由を推測しない。動いた事実と、その後どうなったかを数えるだけだ。
場のクセも、時間帯の差も見つからなかった
「この場は荒れる」「モーニングは違う」という語られ方がある。半分以下になった目が来る割合について、それが出るかを調べた。
**24場を並べても、来た割合の違いは偶然の範囲に収まった。**24も並べればいちばん高い場といちばん低い場はできるが、そのずれを取り出して「この場は下がった目が来やすい」と書くことはできない。
時間帯は、生の数字では差が出た。モーニングだけ低く見える。ただし倍率をそろえて比べ直すと差は消えた。モーニングのレースは倍率の構成そのものが違っていて、時間帯が効いていたのではなかった。
この数字は何から作ったか
- 対象期間: 2026年7月23日〜9月25日
- 集計に使ったレース: 9,587レース
- 見た買い目: 1,141,205通り(1レース120通りのうち、締切30分前と1分前の両方に記録があるもの)
- 「半分以下になった」目: 29,692通り
- 「ほとんど動かなかった」目: 締切30分前から1分前までの変化が上下1割以内のもの
- 「2倍以上に広がった」目: 345,070通り(倍率をそろえて比べたのはこのうち345,019通り。片側にしか目が無い枠は比べようがないので外している)
- 締切前のオッズ: WAKE ODDS が公式サイトから記録したもの(締切30分前と1分前)
- 来たかどうか・払戻: 公式が公開している競走成績のデータ
- 倍率のそろえ方: 締切1分前の倍率を1.25倍ずつの細かい枠に分け、枠ごとに比べたうえで、半分以下になった目と同じ枠の配り方に直して足し合わせている。帯を粗く切ると、帯の中の倍率の違いがそのまま差に見えてしまうため
- 1レースに半分以下になる目の数: 平均3.1通り、並べて真ん中にくるレースで2通り。1つも無いレースは2,678レース
- 除外: 締切30分前と1分前の両方がそろっていない329レース
- 除外: 払戻の記録が無い(不成立など)144レース
- 除外: 同着のレース5件(的中が複数になり、来た・来なかったを数えられない)
- 返還(フライング・出遅れ)のレースは残している。的中した買い目は1つに定まり、払戻も実際に払われた金額なので、どちらも正しく数えられる
- 来なかった実例: 20260914-20-5 の 1-6-4 は締切30分前 164.6倍 から1分前 9.2倍 まで下がったが、来たのは 1-2-3(払戻 570円)
- 場ごとの差: 24場を並べても、来た割合の違いは偶然の範囲に収まった
- 時間帯(モーニング・デイ・ナイター・ミッドナイト)の差: 生の数字では違いが出るが、倍率をそろえると消える
- 記事生成時刻:
2026-09-27T01:38:09+09:00 - 上の表は
verify_article.pyがDBと逐語照合し、一致しなければ公開しない
動いたという事実だけでは、結果は分からない
締切前に倍率が半分以下になった3連単が来たのは2.40%で、同じくらいの倍率で動かなかった目と変わらなかった。戻った金額は11.2%少ない。繰り返すと、**これは舟券をどう買うかを勧めるものではない。**急落した目を買うべきだとも避けるべきだとも書いていない。分かったのは、下がったという事実だけでは結果を言い当てられない、ということだけだ。
払戻が画面の倍率とどれだけ違うかは別の記事にまとめた(競艇で当たった3連単の払戻は、締切30分前に見た倍率とどれだけ違ったか)。オッズそのものの動き方は締切1分前から確定までに、オッズがどれだけ動くか、人気の順位の入れ替わりは競艇で締切直前に人気の順位が入れ替わる確率にある。
締切前のオッズの推移はトップページから見られる。